タイヤバーストの危険性と予防策~実際に起きた事例から学ぶ~
■ タイヤバーストとは?
タイヤバーストとは、走行中にタイヤが破裂する現象です。高速道路や交通量の多い道路で発生すると、車両のコントロールを失い重大事故につながる危険があります。
写真は、筆者自身が実際に走行中にバーストしたタイヤです。外側のゴムが大きく裂け、内部が露出しています。バーストの瞬間は大きな衝撃と音とともにハンドルが取られ、非常に危険な状況となりました。
■ バーストの主な原因
1.空気圧の管理不足
低すぎても高すぎても危険です。特に低圧はサイドウォールへの負担が大きく、熱がこもりやすくなります。
2.タイヤの経年劣化・摩耗
溝の減りすぎやゴムの硬化・ひび割れはバーストのリスクを高めます。製造から年数が経っていれば見た目が良くても要注意です。
3.過積載や高速走行
総重量が規定を超えるとタイヤへの負担が増加。高速道路での長時間走行は熱の蓄積を招きます。
4.路面障害物との衝突
縁石や穴への強い衝撃で内部コードが損傷し、後にバーストへつながることがあります。
5.スローパンクによる空気圧低下
釘やネジの刺さり、バルブの劣化、ホイールリム部の腐食などで徐々に空気が抜けるスローパンクは特に危険です。空気圧が低下するとタイヤのたわみが増え、走行中に内部温度が急上昇。高速道路では短時間で100℃を超えることもあり、内部コード切れから突然のバーストにつながります。
■ バースト発生時の安全確保
1.急ハンドル・急ブレーキを避ける(車体がスピンする危険あり)
2.アクセルをゆるめ、車をまっすぐ保ちながら減速
3.ハザードランプを点灯し、安全な場所に停車
4.三角停止板を後方に設置
高速道路:後方100m以上
一般道路:後方50m程度
見通しが悪い場所ではさらに後方に設置
設置時は必ず安全を確認し、反射ベストがあれば着用
5.設置後は車外に留まらず、安全な場所(高速道路ではガードレール外)に退避
夜間や雨天時は発煙筒やハザードランプも併用
■ タイヤの寿命の目安
新品タイヤでも、製造から3〜4年が実質的な安全使用期間と考えるべきです。
ゴムは紫外線・熱・湿度で劣化し、走行距離が少なくても性能が低下します。
夏場の高温路面では劣化が早まり、残り溝があってもバーストの危険があります。
使用期間の目安
・毎日使用:3年程度
・週末のみ使用:4〜5年程度(ただし保管状況に左右される)
■ バーストを防ぐためのチェックポイント
1.月1回以上の空気圧チェック(スペアタイヤも忘れずに)
2.溝の深さ(1.6mm以下は使用不可)とひび割れの有無
3.長距離・高速走行前の点検
4.製造から3〜4年経過したタイヤは早めに交換検討
■ スローパンクの早期発見
1.長距離前には必ず空気圧を測定
2.タイヤ空気圧センサー(TPMS)の装着
3.燃費悪化や走行感の変化があれば即点検
4.運転中の違和感(振動・異音・走行感の変化)を見逃さない
■ まとめ
タイヤバーストは突然起こり、命に関わる重大事故につながる可能性があります。
日常点検と正しい知識が、未然防止の鍵です。
今回の写真は「たまたま助かったケース」であり、誰にでも起こり得ることです。
自分と家族を守るため、今日からタイヤ管理を見直しましょう。